My Best of 七尾旅人

蝉暮せせせ

旅人さんの曲に出会ったのはbillion voicesがリリースされた2010年頃でした。その頃僕は片田舎に住んでいる小6でしたが、旅人さんの作る音楽に多大な刺激を受けてイマジネーションを膨らませていたものでした。「どんどん季節は流れて」「Rollin’ Rollin’」のスウィートソウルな作風から初期の「ガリバー2」のようなティーンエイジの混沌とした感情を詰め込んだ正しくオルタナティブな楽曲、「線路沿い花吹雪」「リトルメロディ」のような芯のある弾き語りまでを行き来する幅広い作風は代えがたい存在だと思いますし、自分の音楽的な見識も旅人さんの音楽によって大きく広げてもらった気がします。ストリーミング全盛の時代となってもコンセプチュアルなアルバムというものをどうしても求めてしまうのですが、それも旅人さんの数々のアルバムを聴いた体験が染み付いているからだと思います。ストリーミングサービスに旅人さんのアルバムが存在しているという事実はとても素晴らしいことだと思います。おめでとうございます。