2013年09月10日 (火曜日)
大橋仁 そこにすわろうとおもう(2013.3)


仁さんにコメントを求められたが なに書いていいか判らないので この写真集を初見しながらリアルタイムでメモ書きしたやつ それをそのままお渡しします→→→→→→→人間解体 / 飽和段階に入った国のあらゆる醜怪な面つき•肉付き / 虚ろなことばを繰り返すうちに形骸化してしまった顔つきのすべてが / カメラによって残酷に物質化され / もういちど / にんげんのことばを離れる / 尊厳の向こう側で曼荼羅となった肉の群れ / 業の絡み合い / マス•コミュニケーション / 大量死 / と / 大量性 / 生きるということ / と / 大橋仁は / 過去の偉大な写真家たちを超えて / 21世紀芸術のてっぺんに立ったな / そういえば / これまでの2冊は / ページ構成以外 / 無演出だった / 今作の集団シーン / 初の演出では? / 好き勝手やると / こうなるのか? / 恐ろしい男だな / 嘔吐感をこらえながら読み進めるが / 2時間たっても終わらない / まだ半分あるぞ / 俺は甘かった / 地震が起きてから / ひとを傷つけないことばかり / 考えていたよ / 大橋仁は / 優しくはないが / 真面目だなあ / 何枚めくっても / 終わらない / 何枚めくっても / 仏にならない / 写真とはこれほどまでに凄まじいものだったか / こんな音塊よりもオブジェよりも建造物よりも / はるかに量感をもった写真は / 初めて / こないだ大きな美術館に行ったら自分でも名を知っているような著名なアーティストたちの作品が集まっており / なかには大変巨大なものも展示されていたが / これほどの量感を感じる創作物は / 1つもなかった / スカスカだった / スカスカの国に落ちて来た異常な塊 / これはほんとうに本なのか? / いやたしかにこれは本であり / 写真集だ / 写真でなければ絶対に不可能なことだけで構成されているのだから / 何枚めくっても / 終わらない / 何枚めくっても / 仏にならない / まるで京都の三十三間堂を丸ごと腕のなかに抱え込まされたような感じもしたが / あれより凄い / なかなか仏にならないから / 何枚めくっても / 仏にならないということは? / 何枚めくっても / 終わらないということは? / おれはやはりここに最も仏に近いものを抱え込まされ / めくらされているというかんじがしているんだ / 早くこの作品を投げ出したいけれど / それができない / 一葉ごとに重量は増してゆく / 波しぶきをめくり / 惚れた女の服をめくり / 土砂に投げ出された骸の重たい腕をめくりあげ / 澱んだ風にめくられて / アスファルトの下の腐敗した臓腑が灯す燐光に / 一葉ごと焼かれ / 焼かれ / 身を焼かれ / 重みを増してゆくよ / これほど酷い作品は生まれて初めて見た / 天才大橋仁を信じて来て良かった / ありがとう / ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● / 結局3時間かかって見終えた / なんだこれ? / 真剣に考えなくては